Cork

木灘日記

日記を書きます。

ゴミ箱

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仕事が忙しいと痩せる。

僕は朝も昼も食事というものを摂らず、仕事中に多少の菓子をつまみ夜を普通か異常な量を食べることで一年を通して特に変わらない体型を維持しているのだが、仕事に追われて一日を終え、風呂に入る前に習慣のように体重計に乗ると、前日よりも1~3キロくらい軽くなったりしている。

朝も昼も食わないのだからそりゃ軽くもなるだろうと言われそうだが、体重を量るのはいつも飯を食う前なので、計測時の条件は常に同じだ。

僕の仕事は特殊な技能など一切不要でいつでも誰にでも代替可能なものであり、複数の部署を跨ぐ業務フローがきっちり整備され各担当がまともに仕事をし始めたなら、即食い詰めるような隙間産業だ。

しかし業務フローはいつまでもぐちゃぐちゃで所々断絶したまま整備されず放置されているし、各担当は可能な限り自分が仕事をしなくて済むよう誰がやるべきなのか一見分かりづらいグレーゾーンの仕事について、非合理的且つ非効率的だと分かっていながら自分だけが楽をして全体が死ぬような選択をする人間で溢れている。

僕はその悪路のスタートとゴールにそれぞれ旗を立てロープで最短を結び、その途中の泥濘んだ道の途中には人一人が立てる程度の小さなスペースを用意し、嫌がる連中を無理矢理そこに立たせてからロープに水を張ったバケツを滑らせてリレーをさせるようなことをしている。

平和な時は仕事をしてもしなくても変わらないというか、多くの人間は僕が何をやっているのか良く分からないみたいな状態になっているのだが、イレギュラーやトラブルが発生したときには臭いものを捨てるように僕のところへ何もかもを放り込んでいく連中が後を絶たない。ゴミ箱か。

多くの場合は煙が出始めた頃や、時限爆弾的なものだったり、既にほとんど炭化しているものがやってくるのだが、時々、油を染み込ませて火を放ったばかりのボールが投げ込まれることがあり、それは僕のところへ来た瞬間に大炎上する。

今日はそんな案件が複数連続でやってきた。僕はコミュニケーション能力に問題のある人間で、仕事中に人間と関わる際には精神のターボスイッチをオンにして駆け抜け、その後死ぬのだが、今日は業務中の大半を他人との打ち合わせや調整をして過ごすことになった。

僕は今疲れ果てている。家に帰って体重計に乗ると、昨日から2キロ落ちていた。僕は頭が悪い。頭が良く有能な人間は生産的な思考を高速でぶん回すことで脳みそがカロリーを消費していくが、僕は精神を削り神経を張り詰めさせることで疲弊した脳がカロリーを消費してくようなタイプだ。

皆もっと自分の仕事をしてくれと、仕事が心底嫌いで隙あらば一日中だってサボってやりたいと思っている身でありながら考えてしまう。僕の仕事をなくしてくれ。本当は簡単なはずだ。そして、上司は心置きなく僕の肩を叩いて欲しい。サンティアゴ巡礼の本を読みながら、最近は仕事を辞めることばかり考えている。