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木灘日記

日記を書きます。

久々の映画三連続でも何とかなるもんだ - 『マイ・ブロークン・マリコ』『ONE PIECE FILM RED』『秒速5センチメートル』感想

『マイ・ブロークン・マリコ』の実写映画が始まったというのを見かけたので、躊躇を感じる前に予約してしまうか、と映画館サイトに飛んだところ今日はファーストデイであるらしい。

日頃曖昧に生きているので、そうか、今日はファーストデイなのか、と予約をしようとしたのだけれど、せっかくなのだから他にも何か観ようかなと思って『ONE PIECE FILM RED』も観ることにした。
そして新海誠の新作の封切りが近づいた為か上映されていた『秒速5センチメートル』のチケットもあったので、これも取った。


■『マイ・ブロークン・マリコ

あまり漫画原作の実写化映画を観ないのだが、案外それなりに楽しむことができたと思う。

とはいえ漫画的な台詞回しと日本映画的演劇風演技が合わさったくどさ、わざとらしさみたいなものはあるよな。
主人公が絶叫する場面が多いのだが、そこでかなりの割合で金切り声に近い高音が混じるのがヒステリックに聴こえるのも辛かった。

あと漫画とは違って現実の人間は常に動いているので、身体を動かしたり台詞を喋ったりするたびに表情にも細かな変化が発生してしまう。ブロークンなマリコが漫画の中で時々その内心が分からなくなるような表情で描かれていた場面について、マリコの俳優は場面や台詞に表情が引きずられており、良くないわかり易さが出てしまっているように感じた。

いや、ちゃんと楽しみました。フラットな感じよりは確実にプラスに寄ってます。
マキオの役者が良かった。

■『ONE PIECE FILM RED』
入場時に本を2冊も渡されたものだからギョッとしてしまった。ファーストデイの1200円しか払ってないんですが……。
とにかく始まる前からコンテンツのパワを感じた。

内容としては色々と評判を聞いてはいたものの、思った以上に良かった。
サブスク系で配信されている過去映画は幾つか観てはいたけれど、それらはあまり記憶にないというか集中できなかったというか、総じて観終わった直後からあっという間に記憶や印象が消えていく感じで揮発性が高いコンテンツだな、という印象だったのだが、今回は当分記憶にも残るだろう。

終わったあとにはすっかりウタのことも気に入ってしまっていた。事前には見た目的に結構キツいものがあるなと思っていたのだが、映画が始まってからはもう全然、まったくそんな考えは吹き飛んでしまったのだった。メカクレ属性を引き継いだベガパンクのこと、信じてるからな。

能力で苦しみや悲しみのない新世界を作ろうとして上手くいかなかったウタを経て、同じく新世界を作ると宣言するルフィの最後の台詞が「海賊王におれはなる!」なのはかなり突っ込んできてるな、と思った。

危うく腕組みをしながらサブスク配信まで待つところだったので、皆もっと騒いでくれよと思った。騒いでたか。

■『秒速5センチメートル
いまだに新鮮な気持ちで傷つくことができる。
観るたびに当時ミニシアターへ事前情報を一切取らずその日最後の上映で観に行き、終了後に何をされたのかまったく理解が出来ず、翌朝一番早い上映で再度観たことが思い出される。

IMAX上映だったのだが、音に対しては鈍感も良いところなので音響の良さはよくわからなかった。
ただやはりこれは劇場で観るべき作品だな、と思う。

劇場の巨大なスクリーンで観るからこそ、その物理的サイズに牽引してもらい壮大っぽい感傷を覚えることができるのであって、ご自宅のテレビ・モニターで観たところで得られるのは、駄目な風俗に入ってしまい頑張って頑張ってやっとの思いで薄ら寒い射精をさせられたような、情けなくしみったれた感傷に他ならない。と思う。


一度に三本も劇場で映画を観るような真似はもう随分久しぶりだったが、どれも集中して観られた。どれも上映時間が短めであったことが功を奏したような気もする。
そんなところ。