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木灘日記

日記を書きます。

新年は概ねVではじまった

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2020年代へと突入したのはいいとして、今年は既に令和二年である、ということに対してはなんとなくまだ元年であるような気が抜けない。

晦日の夜はVTuberの年越し大魔界村配信を流しつつ、例年通りインスタントの蕎麦を食い、漫然とその時を待つばかりだった。

0時になるのを確認してから近所の神社へ初詣に向かう。狭い神社にも拘らず思ったよりも大勢人がいて、参拝者の列が敷地を通り抜けて道路向かうの公園にまで伸びていた。

30分程度で参拝を終えると、他の人々に混じって境内で炊かれている火に当たった。この火が何なのか良く分からないのだが、時々竹竿の先にスルメをぶら下げた人がやってきて、炎でスルメをあぶっていくのが面白い。神社側のこういう販売物らしい。

元日には姉夫婦と会う予定があったから、甥二人にお年玉をやらねばと帰りにコンビニでぽち袋を買った。コンビニはアルバイト店員が二人で回しているようで、人手不足が叫ばれるなか大晦日に店舗にいなくても良いオーナーはきっと幸運なのだろうなと思った。家に帰るとVTuberは外出前と同じステージにいた。

元日はなんとなく眠るのが勿体ないような気がしていつもだいたい徹夜をしているのだが、別にテレビなどで観たいものがあるわけでも、やりたいことがあるわけでもないのに敢えて徹夜をしてしまうこの非合理性はいったい何事かと思う。

そのあとも驚異の漫然さで夜を超え、朝を迎えた。そういえば初日の出を見ていなかったな。VTuberが未だに同じステージにいるのを確認して、部屋を出た。

姉夫婦の子供は男児二名で、7歳と4歳になる。食事のなかに茹でた鮑があったのだが、自分では食べない4歳の方が食べ終わった残骸である貝殻を手に取ってにおいを嗅ぎ、「くさいけどピカピカ!」と持ち帰ろうとして止められていて良かった。

昼を過ぎて部屋に戻ると、VTuberはやはり同じステージにいた。既に開始から15時間ほどが過ぎており、またそのうち12時間くらい今のステージにいるはずだった。配信のタイトルには「大晦日」の文字が燦然と輝いている。

この配信者の凄まじいところは何時間も同じ場所で死に続けてもまったくメンタルに変調を起こさないところで、平時から落ち着いた丁寧な喋り方が特徴なのだが、開始直後と10時間くらい死にまくった後とで口調にほとんど変化が見られず、悪態や怒りを顕にすることもなく平然と死に続けるのだ。

あまりにも平然と挑み続けるので、「VTuberのなかで唯一本物のAI」や「等速の機械学習を見学しているみたい」などと言われていたりする。

そのあとは特に予定があるわけでもないから、ちょっとうつらうつらしながら配信を眺めていたのだが、やがて遂にステージボスの討伐に成功する瞬間がやってきた。そして魔界村なので即座に最初のステージに戻されていった。

が、しかし、やはり配信者はいたって平然としてというか、むしろちょっと楽しそうに「また2週目も頑張って行きたいと思います」と言って配信を終えたので、ちょっと怖えなと思いつつ、かなり好きになってしまった気がする。

鈴原るる、おすすめです(おすすめしない)。