Cork

木灘日記

日記を書きます。

案外バリエーションが豊富だぞ、ハズキルーペ

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ホワイトデーとかいうものには無縁の存在なので、その三日後に控えた母親の誕生日に向けたプレゼントを注文したりなどした。

母親はプレゼントにサプライズなどを求めない人間で、欲しいものがあれば向こうから言ってくるので楽だ。今年はハズキルーペが欲しいとのこと。ここ数年で老眼が進んで苦労しているらしい。1.6倍率のクリアレンズ、サイズはコンパクトで色はニューパープル。

ニューパープルは最近の新色なのだという。明るい紫にラメが入ったヤツで、僕はちょっとダサいのではと思った。しかし、母親がそれが良いというなら何も言うことはない。

母親の要望により公式の通販サイトで注文したのだが、贈答用とかそういうサービスがなく普通に注文しただけになってしまった。世間一般ではハズキルーペをプレゼントに贈ったりはしないものなのだろうか。まさに僕のような、両親に贈るために買う客もいるのだと思うのだが。

さっくりと注文を済ませたのは良いが、贈答用で注文出来なかったのが気になった。誕生日当日の午前、宅急便がやってきて荷物を一つ置いていく。送り主には息子である僕の名が書かれている。中身は検めるまでもなくハズキルーペであるが、期待を込めて梱包を解くと、そこには無味乾燥としたただの箱が鎮座しているのだ。

公式通販に贈答用で発送する機能がないので仕方ないが、母親はそれを知らぬだろう。僕が何かしら手を抜いたかミスをしたと思われる可能性がある。きっと荷の到着を知らせると共に礼の連絡を寄越すが、その言葉の背後には内心に僅かなわだかまりがあるのだ。相手の要望に従いポイントが貰える楽天amazonなどではなく公式で購入したというのに、それではあまりに不本意である。

ので、ハズキルーペとは別に花も贈ることにした。恐らく、プレゼントそのものと別に花を贈るのは初めてではないか。

花の注文は楽天ですることにした。4000円くらいのブーケだ。オレンジや黄色系を中心にした明るい配色の小さな花束。赤やピンクは母の日だけで十分だろう。メッセージカードの文面を指定して、業者へのコメント欄に一言、良い花を見繕ってやってくれるよう書いた。

ところでハズキルーペの色をどれにするか聞くために電話をしたら、母親が僕が仕事を辞めて両親の家を訪ねてくる夢を見たと言った。仕事をどうしたのか尋ねると、「聞かないでくれ」と答えたそうだ。

折しもその日、僕は会社の人間の一人に近々辞めるつもりであることを伝えたところだったので、ちょっと笑ってしまった。