Cork

木灘日記

日記を書きます。

やはり例の映画を思い出す - 映画『グリーンブック』


【公式】『グリーンブック』3.1(金)公開/本予告 

グリーンブック~オリジナル・サウンドトラック

グリーンブック~オリジナル・サウンドトラック

 

グリーンブックとは当時の黒人がアメリカを旅するに際して、各地で黒人でも利用可能な施設を案内する旅行案内本のようなものであるらしい。

黒人と白人のバディものといえば『最強のふたり』が思いつくが、本作もなかなかどうして良い感じの最強のふたりっぷりであった。一般的に強固な友情を育むためには幾つもの乗り越えるべき壁が存在していて、その壁が高く乗り越えがたいものであるほど良いものなのだと思われているのだろう。アメリカの創作において異人種間の友情が描かれがちなのは人種の差が、乗り越えがたい壁の象徴なのだろうか。

話の概要としては終生の友人関係にあった黒人ミュージシャンのドン・シャーリーとクラブの用心棒だった白人のトニー・リップの出会いを描くというもの。黒人差別の激しい1960年台アメリカ南部へのコンサートツアーに敢えて臨むドン・シャーリーがトニー・リップを運転手兼用心棒に雇って各地を旅するという話で、まあ、特に他に言うことはないんだけど、良かった。

差別問題がどうとかそういう小難しい話ではなかったのも良かった。確かに差別的な描写は全編に渡って出てくるが、焦点は常に二人の関係性に当てられているから、ドンが白人からムカつく扱いをされても「いけ! トニー、殴っちまえ!」とシンプルな感情で観ていられた。僕が単純なだけであるかもしれないが。