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木灘日記

日記を書きます。

リアル脱出ゲーム in 弊社

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今、職場でどちらが先に仕事を辞めるかについてライバル関係にある人間がいる。僕の日頃の体たらくを見れば勝敗は明らかなわけだが、それ以前に相手は既に辞めたあとの次職も今時点で決まっているので勝負になっていない。

彼は僕よりも10以上は年上ながら大変な愛嬌と他者への受容に長けており、多くの人に愛されている好人物だ。彼は今の仕事を辞めたあと、前職に戻るのだという。

彼の前職、それは無知蒙昧な老人を食い物にするほとんど詐欺みたいな水道屋の共同経営者の一人だ。数年前まであちこちに散らばる作業者に指示を出しながら、人手が足りなければ時々自分でも現場へ赴き、蛇口の取っ手一つ交換するのに数十万円を請求したりなどしていた。

他にも今の彼の印象からは中々想像し難い異常な労働エピソードを様々経験しているが、金がそれなりに貯まったため、一旦区切りをつけようと前職を引退して暇潰しに今の職場へ転職してきたのだという。

その前職が最近になって忙しくなっているらしい。休日に応援を頼まれることが増えてきて、年始などハワイ空港に到着した途端に緊急の要請が入り、そのまま妻と子をハワイに残して仕事のため日本へ帰国したのだと話していた。

ちょっと僕みたいな小市民には想像もつかない世界のことに思えるが、彼は今の仕事にもいい加減飽きてきたので、これを期に前職への復帰をするのだと言っている。うむ、大変結構なことだと思う。仕事を辞めるのは良いことだ。そして、他人に求められるのもまた、良いことだ。僕は社会的な善悪にさほど拘りがないので、心からそう思う。

僕はこの先、誰かに求められることがあるのだろうか。他人から求められて、自分自身もちょっと悪くないじゃん、などと思えて、そうやって日々の生活を送れる日がやってくるのだろうか。どうも、あまりその見込みは薄いように思われるのだが。

彼は4月末を以って退社するらしい。ま、負けられねえ! ……などと思いつつ、負けそう。