巡礼への羨望がある
図書館で借りてきたサンディアゴ巡礼関係の本を二冊読んだ。他にも貸出中だったものを何冊か予約している。
巡礼の歴史や宗教的な目的意識についてはさほど感心がないので、巡礼記のような形で書かれたものを中心に読んでいるのだが、道中の写真なんか見てるとやっぱり良いんだよな。
知らない土地で一人、風景と一体化しながら黙々と歩きたいという謎の欲求がある。いやそんなもん日本でやりなさいよって感じだが、この欲求の源泉は恐らく逃避なので、言葉が通じる日本国内では逃げ切った感が足りないと思われるのだ。
果てしなく長く、美しい道が必要だ。見慣れない風景や建物が、言葉の通じない人々が必要だ。僕のこのドロドロと重く粘ついた何かで満たされた頭の中身を空っぽにさせてくれ。
スペイン語は勿論のこと、英語さえほとんど出来ない身であるというのに、希求は膨らむばかり。
