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木灘日記

日記を書きます。

髪、伸びたな

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今日ふと鏡を見ると、そこには変な髪型をしたおっさんが立っていた。無論、僕である。

前回散髪へ行ったのは、メールを確認すると昨年のクリスマス後だったようだ。3ヶ月というと、普段に比べればまだまだといった期間だ。ここ何年か、僕は散髪に半年~1年置きくらいにしか行っていない。経済的な理由も多少あるが、髪を切りに行くことが嫌なのと、癖毛なのである程度髪が伸びても自分としてさほど気にならないのが気分を億劫にさせるのだ。

観念して切りに行くタイミングは、癖毛による補正を以ってしても髪が自重に負けて垂れ下がり始めるほど伸びるか、長く伸びた時期がちょうど夏場だったりして暑さに我慢出来なくなるタイミングであるかくらいなのだが、いずれにせよ毎度髪を切るたびに散髪台の下にはトイプードル一匹分くらいの毛髪が塊となって転がる様が見られる。

そうした普段の伸び具合と比べれば今は大したことはないと言えるだろう。長さ的にはあと3ヶ月くらいはいけそうだなと、なんとなく思う。他人から見てどうかは分からない。普段だってきっとある時期から周囲には怪訝な目で見られているのだろう。

なぜ普段よりもまだ短い今の状態で自分の髪に違和感を覚えたのか、鏡に映った自分の姿をしげしげと眺めてみて、要は髪全体の伸び方のバランスの問題であることが分かった。

前回、その前から10ヶ月くらいの期間を置いて散髪へ行った。その美容室を利用するのは3度目であり、これまでで一番期間が空いたタイミングだった。それまでも半年は空けていたのだから今更ではないかと思ったのだが、担当した美容師に「ちょっと短めにしてみましょうか」と言われ、僕は今まで一度たりとも自主的に髪型を指定したことなどなく、自分の髪型にも関心がない人間なので「どうぞ」と美容師の気の向くままに切らせたのだった。

その結果、猿の子供のような短髪を晒したおっさんが誕生した。切り終わったあと、美容師は満足そうに「これなら次は1年くらい行けるかもしれませんね」と言った。髪型の出来自体はどうかと思いつつ、僕は1年行けるならばこれもまた有りだろうと受け入れたのだ。

そして3ヶ月目の今、どうなったか。未だ嘗て無い違和感を覚えているのである。理由は先に書いたとおりバランスの問題だ。美容師は僕の髪を子猿仕立てにするに際してバランスを取りつつも全体として短く切った。それが3ヶ月のあいだ均一に伸びた。今の僕の頭はなんとなく、全体的に丸い感じで肥大化していくマッシュルームのようになっている。癖毛なのでちょっと乱れると髪の長さの足りない綾波レイみたいになる。

綾波レイみたいな髪型をしたおっさん。かなりキツイ生き物だと思わないか? 僕はめちゃくちゃ思うのだが。

しかし、普段より短い期間で髪を切りに行くのは気が進まない。ひょっとして美容師の策略だったのではと考えると、行ってやるものかという反骨心が湧いていくる。それに僕の通う美容室は高い。カットだけで7000円近く取る。美容室の相場は知らないが、これは過去の経験上かなり高額に分類されると思う。

貧乏人の分際でなに贅沢していやがるという声もあるかと思うが、半年から1年に一度しか行かないのだから勘弁して欲しい。僕は多少高い金を払ってでも本当は行きたくもない美容室という空間を快適に過ごしたいのだ。値段の高い美容室は店の雰囲気やスタイリストの立ち振舞いについて不快に思わされることが少ない、と思っている。

僕は髪を切られている最中もほぼずっと瞑目している。途中経過を確認するということもない。美容師にとっても人形を相手にしているのと大差ない。互いに損のない関係だと思う。

が、やはり価格として高いものは高い。3ヶ月程度で音を上げるわけにはいかない。更にもう少し伸びれば全体的になんとなく馴染んだりするだろうから、まだ今しばらく頑張ってみようと思うのだ。以上。